言葉の力について思う

   

「マララ・ユスフザイ」とは発音しにくい名前です。私には早口で3度連続正しく言うことができません。

 

「あ段」3回に続けて、「う段」も3回続くからではないかと思います。報道によっては「ユサフザイ」としているところもあります。早口言葉の苦手な私には、「その方が発音しやすいから」と思えてしまいます。

 

 

私が例えば「世界中の子供たちに無料の教育を与えてほしい」と、どんなに声を大にして叫んだところで、聞く耳を持つ人はいないでしょう。「テロや貧困に打ち勝つためには、教育こそが唯一の解決策です!」と主張しても独り言になるだけ。変わり者のオジサン扱いされるのがオチです。

 

しかし、マララ・ユスフザイさんが訴えると世界中が聞いてくれます。彼女の名前にピンとこない人も、「パキスタンで銃撃された少女」と言えば思い出せるのではないでしょうか。女性の教育普及を訴えるブログを書いて注目されましたが、昨年スクールバスで帰宅途中に過激派タリバンに襲われました。

 

マララさんは奇跡的に回復して、先日16才の誕生日に国連で演説をしました。銃撃される以前の彼女はパキスタン国内でだけ有名でしたが、今では世界的に知られています。

 

言葉には、文章そのものの力の他に、「誰が語るか」によって生まれる力というものがあるのではないでしょうか。マララさんの主張は彼女が言うからこそ、世界が聞いてくれます。タリバンの銃撃は、結果として彼女の言葉の力を高めることになりました。

 

WEBライターの文章は多くは匿名で使われます。誰が書いたかは関係ありません。力のある文を書きたいものだと思います。マララさんも最初は文章で注目されたのですし。

 -ライター水野秀次の「時代を斬る」コラム

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