安ければよかろうという発想
その店のバニラアイスクリームを味わうために一月に一度通っていた喫茶店があります。
先日、とても残念なことがありました。「アイスクリーム値下げ 220円→180円」という掲示に、いやな予感がしました。2割値下げしても品質はそのまま。そんなことはありえません。そのぶん量を減らしたのでしょうか?いえ同じでした。味は?
案の定、まったくの別物になっていました。
詳しい事情を店員に聞いてみたいという誘惑に駆られましたがやめました。単に「値下げすればお客さんは喜ぶだろう」という発想だったのだと思います。たくさん売って最終的な利益を多くしようと見込んだ店側の事情も理解はできます。
「物の価値とは、それを作るために費やされた時間の集積であるべき」。
このまえ見たテレビ番組の中で、ある独立時計師がいったフレーズを思い出しました。歯車1つ、ネジ1本から自作して1年に1個しか制作されない、たった一つの腕時計の値段が数百万円もするのは当たり前です。
アイスクリームと腕時計を同列に論じるのはかなり無茶苦茶ですが、安かろう悪かろうという結果になるのは同じです。
多少値段を上げてもかまわないので、もう一度あのアイスクリームを食べたいと思った出来事でした。
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