失われた時間を取り戻す

   

たとえば1年間、真剣に受験勉強をしたとしましょう。あるいは1ヵ月ずっと休みなしで目一杯仕事をしたという場合でも同様です。そんな生活を続けたあとで振り返えってみると、その期間の記憶は真っ白、まるで長い夢から醒めたような不思議な気持ちになることがあります。

他のすべてを犠牲にして優先順位の高い目標へまっしぐらの生活を続ければ、確かにゴールにより早く確実に近づくことができるでしょう。

そのような生活が一区切りついたら、世の中でどんな動きがあって、何が流行っていたのか、どんなことに世間の人々が熱中していたのかを再確認する必要があります。

本や映画などでこれは読みたい観たいというものを調べると、ある特定の時期に固まっていて、なぜそのときに見落としていたのかと思うことがあります。「あれ?こんな作品があったんだ。ぜんぜん知らなかった」というものの多くが「自分が失っていた自由時間」の中にあったりします。

どんなことに興味を持ったのか、そしてそれをいかに体験して血肉にしてきたか。そうした「感動の記憶」は自分らしさを形成し、そのとき確かに生きていたという実感につながっているのかもしれません。

「過ごした時間が自分を構成している」と思うと、自分が生まれる前の過去の優れた作品を味わうことさえ、特別な意味を持つはずです。

 -ライター大田「思いつきだけど結構イケル」

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