平安時代のツイッター

   

ツイッターでは短い文章で意思を伝えるために、「なう」「わず」「うぃる」などの言葉が使われます。英単語をうまく活用して短文にしているわけです。モールス符号(信号)と似ているな、と思います。

 

ずいぶん前ですが、モールスを勉強したことがあります。ただの思いつきだったので長続きはせずモノにはなりませんでしたが、今でも少しは覚えています。

 

学習法は、石川遼さんの宣伝している何とかラーニングという英語教材とほぼ同じ。アルファベット名とモールス符号が録音されたテープを、ただただ聞き流します。例えば、「Z」であれば、「ゼット、ツーツートツー」です。符号で記すと「― ― ・ ―」。

 

毎日聞いていると、「ゼット」という文字を見た瞬間に「ツーツートツー」と言えるようになりました。条件反射です。

 

モールスは一文字打つのに時間がかかるので、複雑な意思疎通にはあまり向いていません。なるべく短い電文で意思を伝えようと工夫も必要です。略号もあります。

例えば、「幸運を祈る」は「good luck」を短くして「GL」、「thank you」は「TU」。「happy」は「HPI」、「please」は「PSE」、「you」は「U」、「your」は「UR」と略されます。

 

よく使われる言葉を短い別の表現に置き換えるという点は、ツイッターで行われているのとまったく同じ。道具は変わりましたが、ツイッターは現代のモールスなのでしょう。

 

そういえば、よく似たことをずっと昔から日本人はしてきました。短歌です。

 

瀬を早み 岩にせかかる 滝川の われても末に 逢わむとぞ思ふ (崇徳院)

(速い川の流れは大きな岩にあたってふた手に別れても、またひとつに戻る。それと同じように、今は離ればなれでもいずれはあなたと逢えると思っています)

 

言葉に二重の意味を持たせたり掛詞などを使ったりして、短文で想いを伝えた恋歌もツイッターと共通点があります。時代はめぐるものだと感じます。

 -ライター水野秀次の「時代を斬る」コラム

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